私は会社員を経験した後に、独立してライターになりました。
もともと文章を書くことが好きで、会社でも本業ではないものの仕事を通じて「文章で人に伝える」ことを日常的にやってきました。
そういった経験はあるものの、出版社やWebメディア事業などに勤めていたわけではないので、独立後にすぐ人の紹介から仕事が得られるようなことはなく、自分でどういう手段があるのだろうと試行錯誤しながらいろいろな方法でライターの仕事を得てきました。
「これはやってよかった、むしろもっと早くやればよかった」と思ったものから、「失敗したな~まあこれも勉強と思おう」と感じたことまで、私の実体験を通したお勧めの方法・気をつけるべき点をお伝えしていきます。
Webライターの仕事をしてみたいけど、仕事を紹介してくれるような伝手はないし、なにから始めたらいいのか分からないという方のご参考になれば幸いです。
ブログを作る
未経験からライターを目指すのであれば、自身のブログを持っておくと強みになります。
以降の項目で実際に仕事を得ていく方法をお伝えしていきますが、応募にせよ受注にせよ、ほとんどのプロフィール(自己PR)フォームでブログを運営しているかどうかの項目があります。
これまでの実績や仕事を紹介してくれる伝手があれば別ですが、実績がほとんどない状況のときはブログを持っていることで「私はこういう記事が書けます」という自己紹介ができ、得られる仕事の幅を広げられます。
まずはどのような文章を書けるか知ってもらうのが大切ですので、無料ブログやnoteでも大丈夫です。
ただ、できればWordPressなどを使った有料ブログを自分で作成して管理するほうが、より仕事の幅は広がります。自身でブログを運営していると、ある程度のSEOやキーワード選定などWebメディア運営に関する知識が身についていきます。そのため「WordPressを使ったブログを運営している=SEOを意識したWeb記事が作れる」というアピールに繋げることができます。
また文章を書く自信がない場合でも、すぐに書き始めることができるのがブログの良いところです。
ライター向けの文章力アップの本はたくさん出ていますが、まずは実際に文章を書いてみて、どういう点を鍛えないといけないのか自覚しないと、本を読んでもしっくりこないと思います。
文章力に自信がない方にこそ、ブログは良い練習台になります。
有料ブログとnoteの使い分け
有料ブログでもnoteでも記事を書けるなら、どちらを使ったほうがいいの? という疑問もあるでしょう。
有料ブログは最低でも年間1万円以上のコストがかかるため、アフィリエイトやアドセンスを取り入れて少しでも収入に繋がる使い方をしたほうがお得だと思います。
アフィリエイトで意識するのは「自分が本当に良いと思った商品やサービスを紹介する」ということ。
読者を意識し、なにを伝えたいのか、どういう点がお勧めで、注意点やデメリットはあるのかなど、「読み手」と「伝えたい対象」を繋げるのがライターの仕事の一つです。
ですので、こういった点を意識して記事を書いていくことで、ライターとしての力量もつきますし、記事の質が良くなり閲覧数(PV)が増えていくと、企業の目に留まり直接依頼を受けるという嬉しいケースもあります。
せっかくお金をかけてブログを作るのであれば、収入面だけでなくスキル面への投資にもなるような使い方をしましょう。
◎おすすめ有料ブログのサーバー◎
エックスサーバー
大手サーバーを3社ほど使ってみましたが、コスパ・表示速度・サポートの丁寧さ、レスポンスの早さ・管理のしやすさの総合点でエックスサーバーが圧倒的に満足度が高く、現在も継続して利用しています。
エックスサーバーは老舗であるゆえに安心・信頼度が高く、利用者も多いため、何か分からないことがあっても、ネットで検索してすぐに回答を見つけられます。これも使いやすい理由の一つです。
noteでは、自分の好きなジャンル・テーマに関する記事を書くのがお勧めです。
ふわっとでいいので「将来、こんな記事をライターの仕事で受けてみたいなあ」といったイメージをしてみてください。
例えば、料理が好きでフード関係の仕事を増やしていきたいのであれば、料理や食べることに関する記事を書く。ゲーム関係のライターをしたいのであれば、ゲームのプレイ日記や作品紹介などの記事を書く。
依頼主の目に留まるのはラッキーなことですが、こちらから率先して応募していく際にもnoteのURLを添付して「こういう記事を書いています」と自己PRができるようになります。
noteは自分の記事をジャンルごとにまとめられる機能があるため、テーマは一つに絞らずに複数書いてOKです。
好きなことを楽しく書いていきましょう。
書きたくないもの・書いていて楽しくないものを延々と書かされて消耗していくよりも、書きたいものを書き続けているライターが最終的に長く仕事を続けられるからです。
note以外にも無料で運営できるブログもありますが、人の目に触れる機会を増やすにはnoteは圧倒的に強いです。有料であれ無料であれ、個人でブログを運営するには検索上位にあがるように工夫しないと多くの人の目には触れません。
しかし、noteでは閲覧数やいいね(ハートマーク)の数が少ない記事であっても、検索ワードに関連する内容であれば割と上位に表示される特徴があります。
また、note内タグ検索によって見つけてもらいやすいですし、個人だけでなく法人関係者もnoteで「面白い記事はないか」とチェックされているため、法人の目に留まりやすいというメリットもあります。
クラウドソーシングを利用する
「実績ゼロ」「ブログを持ってない or 記事数が少ない状態」の初心者ライターさんでも、クラウドソーシングでは仕事を得やすいです。
単価が低い案件が多いので、ずっと長く活用していくというより、「実績を積む」「納品の流れを知る」「成功体験(報酬)を得る」というイメージで始めるのがお勧めです。
クラウドソーシングを活用することで、未経験でも仕事をもらいやすくなります。
初心者の場合、報酬の額はそれほど多くありませんが、自分の書いた文章で報酬が得られるという経験はこれからの自信に直結します。
また依頼主によっては、記事を書く際のコツやポイントを丁寧に教えてくれる場合もあるので、仕事をもらいながら勉強もできるという、まさに一石二鳥の経験ができます。
私自身の経験ですが、初心者を積極的に募集している案件に応募して仕事を受けたときは、記事の質をチェックするツールを教えてもらったり、文章のノウハウを教わったりと、たくさん学ばせていただきました。
単価の高い低いにこだわるよりも、初心者に丁寧な指導をしてくれるか、安心できる依頼主かどうかに(評価実績からチェックできます)こだわったほうが良いです。
実績を重ねていくと単価の高い案件にも応募しやすくなるので、最初から焦ることはありません。
注意するポイント
・記名できる仕事にこだわる
クラウドソーシングから受ける仕事には、いわゆるゴーストライターのような内容のものがあります。
自分のライター名で実績をコツコツと作っていきたい人や、いずれはクラウドソーシング以外でも仕事を獲得していきたい人は、こういった仕事をあまり受けないように注意してください。せっかく仕事の実績を積んでも、自分が作成した記事を公表できないと意味がないからです。
ライターを本業とせずに副業的に臨時収入になればいいと考えている場合は、あまり気にしなくても大丈夫です。
ですが実績評価があることで、次の仕事をより高単価で獲得しやすくなるので、できれば公開OKな仕事を受けるのがお奨めです。
契約を締結する前に、依頼主に「この記事を書いたことを実績にしたいのですが、公開しても大丈夫ですか?」「私のライター名は表記されますか?」など確認してみてください。
クラウドソーシングの場合、下請けのような仕事も多いため、ライター名を記事に表記してくれるとは限りません。とはいえ実績公開がOKな案件もありますので、契約前に確認することをお奨めします。
特に個人でライター募集している場合は、公開NGの仕事が多いです。
なぜかと言うと、個人による案件のなかには以下のようなケースもよくあるからです。
・(依頼主がブログの管理者の場合)アフィリエイトブログを立ち上げて広告収入は得たいが、記事を書くのが面倒だったり書くスキルがない
・(依頼主がライターの場合)自分の抱えている仕事が多いので、初稿を他のライターに任せて、仕上げを自分で行って納品する
そのため、記事を他のライターが書いたと公表されると都合が悪いため記事の著作権を放棄するように求められます。しかもこういった場合、ある程度経験を積んだライターには避けられる案件であるため、初心者を積極的に採用する代わりに単価が低いというのが特徴です。
まずは手慣らしにやってみようという場合を除き、あまりお勧めしない案件です。
クラウドソーシングでは、自分で条件を絞って検索して気になる仕事に応募するといった募集案件が主流ですが、自身で得意なジャンルや書ける記事の傾向をPRして仕事を受注する方法もあります。
こういったときにブログのURLをプロフィールに添付してあると、単に「こういった内容が書けます」と説明するだけよりも、説得力のあるアピールができるのです。
私も当時書いていたブログのURLを載せていると、応募しても採用されやすかったですし、プロフィールから直接仕事の相談を受けることもありました。
ただし、こういった相談のなかには規約違反に繋がるグレーゾーンな案件や詐欺もあるため、うまい話にすぐ飛びつかず、慎重に見極める必要があります。
依頼主の評価をチェックしたり、法人であれば会社名を検索したり、ネットで仕事内容を調べてみると実情が見えてきます。仕事を受ける前に内容を調査・検討する慎重さは常に持っておいてください。
おすすめのクラウドソーシング
私が実際に登録して、安全でちゃんとした仕事をもらいやすかった会社を紹介します。
登録料は不要ですし、使わなくなったらいつでも退会できます。まずは気軽に登録してみて、どのような仕事があるのか探すだけでも面白いですよ。
主婦向けという印象が強いですが、未婚や男性ライターを募集した案件もあるので、主婦じゃないと登録できないというわけではありません。実際、私も主婦ではないものの登録して仕事を受けてきました。
あまり知名度はないかもしれませんが、日々マメに検索をしていると初心者向けでも単価の良い案件が出ている印象がありました。
他の登録サイトでは2000~3000字程度の記事を100円~1,000円の金額で募集している案件が多いのですが、同じ文字数で2,500~5,000円の報酬案件があったりと、よく探すとホワイトな案件がありました。
個人的な感想になってしまいますが、取引をした依頼主の方もレスポンスが早く丁寧な対応の方ばかりで、気持ちの良い仕事をさせてもらったという印象です。
登録している人も少ないためか、良い条件の案件にもあまりライバルがおらず、すぐに仕事が決まります。
UIもシンプルで操作しやすく、ネットにあまり慣れていなくても使いやすいサイト仕様になっています。
・ココナラ
ココナラを使った印象は、受注が途切れずに来る安定感の強さです。
私は主に、「サービス出品」「経歴など充実させたプロフィール」によって仕事を受けています。
ココナラは自分のスケジュール状況に合わせて受付を休止したり再開したりと調整できますし、納期もこちらで設定してから受注が来るのを待つという、「ライター」と「依頼主」が対等なイメージがあります。
サービス出品をすることで、こちらから「できること」「価格」「納期」などを事前設定できます。あとは、依頼が入るのを待つだけです。出品内容はいつでも修正できるので、他の類似サービスと比較して差別化を図るなど工夫次第で依頼は来ます。
プロフィールを充実させておくと、それを見た依頼希望者が「こういう内容を書いてもらえますか?」と問い合わせをかけてくれることもありました。
もちろん他のクラウドソーシング同様、依頼主サイドで発注された案件に応募する方法もあります。
クラウドソーシングを活用するのであれば、知名度の高いクラウドワークスに登録しておくのがお勧めです。
というのも、数あるクラウドソーシングのなかで圧倒的に登録者数が多く、それだけ案件も豊富だからです。
初心者歓迎の募集も多く、右も左もわからない状況でも丁寧に教えてくれる依頼主もいらっしゃいました。初心者であるぶん単価は低いのですが、教えてもらえる授業料込みと思うとありがたい経験もたくさんさせてもらいました。
分母が多いので、案件は玉石混交といった印象です。条件の良い案件もあれば怪しそうな案件もあるので、発注者の評価や、案件の内容が規約違反でないか丁寧にチェックして見極める必要があります。
案件はたくさんありますので、ちょっとでも「変だな……」と感じたら受けないほうがいいでしょう。
ランサーズも、クラウドワークスと同じく知名度が高く登録者も多いです。
2024年2月現在の段階では登録者・案件の数はクラウドワークスが業界トップですが、とはいえランサーズもかなりの数の案件があります。両方を登録して、こまめに新規案件をチェックしていくと仕事を探しやすいと思います。
自分で使ってみた感想としては、ランサーズは初心者向けのスキルアップサポートが充実している印象です。
案件数が多いので、案件の質を見極める必要があるのもクラウドワークスと同じですが、ランサーズには依頼アドバイス機能というものがあるので、初心者が怪しい案件を受けないような対策が取られていて、より安心感があります。
直接募集案件を探し、応募する
企業や団体が直接ライター募集しているところに応募する方法があります。
法人の公式HPやnoteで募集していることが一般的ですが、雑誌にも掲載されていることがあります。興味のある雑誌は隅々まで目を通して常にアンテナを張ってみてください。
ネット上で「ライター 募集」と検索してみると案件が出てきますので、どういった仕事があるのか調べてみるのもお勧めです。
継続的に納品できるかを求められることがあるため、全く興味ない分野に手当たり次第に申し込むよりも、自分が興味のある分野・得意な分野に申し込むのがお勧めです。
例えば、メイクが趣味でメイクのことであれば自主的に下調べしたり勉強したりと意欲的に行動して良質な記事が書けるという場合は、メイク関係のサイトを見て、ライターを募集しているか調べてみてください。
公募していない場合でも、問い合わせ窓口に直接応募(自己PR)してライター採用されたという例も目にしますので、何事もチャレンジしてみると好きな仕事を得ることができます。
「メイクライター 募集」「旅行ライター 募集」といったように、特定のジャンルに絞って検索すると募集をかけているメディアがピックアップされます。タイミングによっては募集時期が終了していることもありますが、募集ページをブックマークしたり企業のSNSをフォローしたりして情報をマメにチェックしておくと、再度応募が始まることもあります。
検索するときに「ライター 募集 2024年2月」といったように期間を指定すると、募集中の案件を探しやすくなります。
雑誌やメディアサイトを見て、この記事を書いているライターは誰だろうと名前をチェックして、そのライターさんのSNSやサイトなどを見ることで得られるヒントも多いですよ。
どのように仕事を獲得してきたのか、スキルアップのためにどんなことをしているのか、どんな媒体を使っているか(SNS・個人ブログ)など、職歴や実績を載せている方もいらっしゃるので参考にしてみてください。
他にも求人サイトで「ライター募集」と検索をかけると、直接採用から短期のお仕事まで広く探せます。
注意するポイント
SNS上のみで紹介されている仕事や個人による募集に応募する場合は、法人の募集に申し込むときよりも、もっと慎重になったほうがいいです。
募集をかけている人や団体のプロフィール、記事掲載先のメディア(実態がどうか・記事はこまめに更新されているかなど)を調べて、安心できる仕事かどうかを確認してから決めるようにしてくださいね。
特に高額なお仕事の場合は、なにか裏があることも有り得ますので、信頼できる団体(あるいは個人)なのか、仕事内容は犯罪に関係しないか、対等な契約関係が結べるかなど、入念に下調べしてから応募するようにしましょう。
SNSでの募集に応募するよりも、法人が公式HPでライター募集しているところに応募するほうが確実に安全性・信頼性が高いです。
ただ初心者可としている法人は少なく、ある程度の経験か文章センスが問われることになります。
こういった場合でもブログを持っていると、文章レベルが採用条件に合うかどうか判断してもらえます。またクラウドソーシングで公開可能な実績があると、より説得力のあるアピールができます。
Web制作代行会社に登録する
・ライターだけでなく、編集などWeb制作に関する仕事を幅広く経験したい
・依頼主と直接やり取りするより、間に仲介する人がいてほしい
こういった場合は、Web制作代行会社に登録して仕事を紹介してもらうのもお勧めです。
テストライティングや面接に合格する必要はありますが、登録が完了すれば仕事の手配をしてくれます(もちろん条件に合わない場合は断っても大丈夫です)。
私が知っている会社では、初心者であっても丁寧にライティングの基礎を教えてくれるので、勉強しながら仕事ができるというメリットがあります。
自分から率先して営業をかける必要はなく、一つのメディアが終われば次を紹介してくれることが多いので、安心して仕事に取り組めます。
補足
私が駆け出しのライターだった頃、上記で挙げた手段で経験を積んできました。
その後は「こういった文章が書ける」ということを武器に、地域に関する取材・記事執筆などWebメディア以外での仕事にも取り組み、活動範囲を広げています。
これも、初心者でも活動できるフィールドで実績を作れたからです。これまでにお伝えしてきたツール、特にブログやクラウドソーシングは、伝手なしの全くの初心者でも始められることなので、まずは第一歩として活用してみてください。
個人的な印象ですが、クラウドソーシングは個人案件が多く、応募・代行会社からの仕事は企業案件が中心でした。その分、後者のほうがより募集条件や原稿の完成度チェックが厳しいこともあります。
文章力に自信がないという方には、まずクラウドソーシングで「初心者可」で募集している案件に応募してライターの仕事の感触を得てみたり、ブログを書きながら文章力を鍛えたりして、一歩ずつ経験を積んでいく方法をお勧めします。